さいたま市長に清水勇人氏が当選

埼玉私幼PTA会長が政令市の市長に

2009年5月28日
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清水勇人(しみず・はやと)

清水勇人(しみず・はやと)
1962年3月生47歳。旧大宮市出身。さいたま市見沼区在住。日大法学部政経学科卒。松下政経塾第7期生。地域振興マーケティング会社経営、代議士秘書を経て2003年から県会議員(当選2回)。県議会文教委員長などを務めた。
現在、共栄大学客員教授、埼玉県ハンドボール協会会長、全埼玉私立幼稚園PTA連合会会長、さいたま市私立幼稚園PTA連合会会長などを務める。10歳と6歳の男児の父親。(2009年5月現在)

★サッカー博物館より親子ミュージアム
2009年5月24日(日)に行われたさいたま市長選挙で、全埼玉私立幼稚園PTA連合会の清水勇人会長(47)が当選した。
浦和、大宮、与野、岩槻の四つの市が合併してできたさいたま市は人口121万。東京23区を含め、全国で10番目に大きい都市である。今回の市長選には、3期目(旧浦和市長時代からは通算6期目)をめざしたベテラン現職・相川宗一氏(66)、自民党前代議士・中森福代氏(59)ら有力候補6人が出馬したが、混戦の中でも自民党推薦を受けた現職が有利と言われてきた。ところが選挙戦が始まると、親子の絆に視点を置いた清水会長の訴えが市民の心をつかみ、相川氏より約6万票多い155,956票を得た。投票率は42.78%(前回は35.51%)。
2006年4月から(社)全埼玉私立幼稚園連合会(平原隆秀会長=春日部成就院幼稚園)のPTA会長を務める清水氏は、自民党の県会議員として文教政策を牽引していたが、今年3月、出馬表明と同時に自民党を離れ、民主党推薦の無所属候補となった。
全日私幼連のPTA会長が森喜朗元首相であるように、政治力を高めるために県団体のPTA会長も議員が務める例は珍しくないが、セレモニーの挨拶にだけ顔を出す例も少なくない。ところが清水会長は、自分の挨拶出番が終わっても帰らず、時間の許すかぎり講演を聴き、熱心にメモをとる人だった。
2008年8月、全埼私幼連が主催した「埼玉県親学実践講座」では朝9時から17時まで4つの講座をしっかり聴き、「こうした研修を親みずからが企画、実施できるPTA組織にしていきたい」と語っていた姿が印象に残る。
自分自身の中でしっかり醸成された教育論、親子論だから強い説得力があったのだろう。さっそく新市長は、さいたま新都心に計画されている「サッカープラザ」を、「親子ミュージアム」に変更する構想を打ち出した。ふたつのJ1チームを持つさいたま市はたしかにサッカーのメッカであるが、親子ミュージアムならサッカーのほかにもいろいろな要素を取り込んで、タイムリーな賑わいを作り出せるわけである。これこそ私立幼稚園PTA会長の発想と言える。
このようなミュージアムはほかに例がないので、ジョン・レノンミュージアムと並んでさいたま市の新名所になることを期待したい。
幼稚園情報センター 片岡 進